図面の承認を紙の押印で行っている設計事務所は、今も多くあります。紙の承認には「記録が残る」「直感的にわかりやすい」という利点がありますが、所長が出張中に承認が止まる、押印済みの図面をスキャンして保管する手間がかかる、といった問題も抱えています。電子化を検討する前に、何を解決したいかを明確にしておくことが大切です。

電子化の主なメリット

承認フローを電子化すると、まず「承認待ちの図面がどれか」が一目でわかるようになります。紙の場合、承認待ちの図面が誰かのデスクに積まれていても、他の人には見えません。電子化すると、ダッシュボードに承認待ちの図面が一覧表示され、担当者に通知が届きます。また、所長がスマートフォンから承認できるため、出張中に承認が止まる問題も解消されます。

承認の記録と監査への対応

電子承認の大きな利点の一つは、「誰が、いつ、どの版を承認したか」が自動的に記録されることです。ISO 9001の内部監査では、設計変更の承認記録を求められることがあります。紙の場合、押印済みの図面をスキャンして保管する必要がありますが、電子化すると承認記録がシステム上に自動保存されます。差し戻しの理由もコメントとして残るため、後から経緯を追いやすくなります。

電子化でよくある失敗

電子化の失敗で最も多いのは、「現場の承認フローと合わないシステムを導入してしまう」ことです。たとえば、担当者・主任・所長の3段階承認が必要な現場に、2段階しか設定できないシステムを入れると、残りの承認を別の方法で行うことになり、かえって手間が増えます。導入前に、現場の承認フローを図に書き出し、システムで再現できるかを確認することが重要です。

紙の押印が必要な場面への対応

官公庁への提出書類など、紙の押印が法的に求められる場面は、まだあります。電子化は「紙をゼロにする」ことが目的ではなく、「社内の承認フローを効率化する」ことが目的です。電子承認で内部の記録を残しつつ、必要な場面だけ紙の押印を行うという運用が、現実的な落とし所になることが多いです。

承認フローの電子化は、導入後の定着が最も重要です。Panel Vault9では、導入支援サービスの中で、現場の承認フローに合わせた初期設定と、管理者向けトレーニングを提供しています。まずはデモでご確認ください。